知らない相続人が全国各地に30人 母親の死後、親子関係なし判明

99歳の母親Bさんが亡くなったため、相続診断士でもある司法書士Cに不動産の相続登記を依頼したAさん。若くして亡くなった夫(Aさんの父親)に代わり、Bさんは戦後の貧しい時代を朝から晩まで働いて女手一つでAさんを育てた。Aさんは就職し、数年後に結婚をして実家を離れたが、2人の子供(Bさんの孫)が独立したのを機に、Bさんが一人で住む実家を増築して共同名義にし、再び同居。15年が過ぎた頃、Bさんは介護が必要になり、認知症も発症したが、Aさん夫婦は協力し合って自宅で世話をし、最期を看取った。 Aさんに兄弟はなく簡単な相続登記のはずだったが、様々な手続きのため戸籍を取り寄せたところ、BさんとAさんは親子ではなかったことが判明。Aさんの実母は出産後すぐ亡くなっており、まもなく再婚したのがBさんだったが、AさんとBさんは養子縁組をしていなかった。さらに調べたところ、Bさんは9人きょうだい(※全員故人)で、全国各地に甥や姪が 人いた。そのため、相続人ではないAさんは母親と過ごした家を守るため、今まで存在も知らなかった相続人 人と交渉しなければならなくなった。Bさんは結婚後きょうだいと疎遠になっていたため、相続人のほとんどはAさんの存在自体も知らず、交渉は難航。不動産を法定相続しても1人の持ち分は大した額にはならないが、持ち分の買取りを要求する人もいた。それでもほとんどの相続人は「AさんとBさんが親子として生活してきたのなら」とBさんの不動産取得に協力的で、その他の人達にはCが業務提携している弁護士が個別で対応。ようやく不動産がAさんの個別名義なったのは2年後のことだった。  Bさんが健在のうちに戸籍を確認しておくことはもちろんだったが、Bさんが遺言を残していればこのような状況には陥らなかったであろう案件だった。

※数年前の実際の案件ですが、詳細は変更しています。

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